山麓の暮らし

2015年11月1日

八ヶ岳南麓の冬の衝立

稜線の西側を覆った霧氷

稜線の西側を覆った霧氷

数年前の11月21日に八ヶ岳稜線が白く覆われたのを見て、翌早朝に横岳に登った。
杣添尾根を辿り、登りついた標高2800mの稜線は冠雪ではなく、霧氷だった。
八ヶ岳の縦走路を境に長野側の山肌が行者小屋、赤岳鉱泉の登り口まで真っ白な霧氷で覆われていた。
霧氷は霧が樹枝や岩などに付着して生じる白色・不透明な表氷層で、風上側に向かって成長するため、季節風の方向を示すとされている。
八ヶ岳の冬の季節風は明らかに北から西寄りの風が吹くことを示していて、この頂稜部で風と雪をくいとめてくれるのを垣間見た思いだった。
八ヶ岳南麓に住む私たちにとって、八ヶ岳は冬の厳しさを和らげてくれるありがたい冬の衝立だ。

2015年11月1日 八ヶ岳ジャーナル「八ヶ岳・自然散策」に掲載

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