山麓の暮らし

2004年3月23日

富士見高原病院通院

byouin 痛風の激痛にみまわれて長野県の富士見高原病院に通い始めてから1ヶ月が経った。

この病院の前身が「富士見高原療養所」で結核療養のいわゆるサナトリュウムであったことを後で知った。堀辰雄の「風立ちぬ」の舞台になり、作家の横溝正史や画家の竹久夢二などが入院していたという。

当時の病棟が1棟だけ残されていて見学ができた。

大正末期の建設で木造2階建て、幅広の板を張った廊下や木製の階段手すりなど重厚感がある内部だった。竹久夢二の絵や入院記録簿がさりげなく置いてあった。

入院記録には堀辰雄の婚約者で一緒に入院していた矢野綾子25歳の名があり、昭和10年6月に入院し半年後死亡とあった。

外観は清潔感が残る白壁と陽がさんさんと射すバルコニー、それに窓枠は木製。手すりには錆がきていたが、療養していたひとたちの姿が浮かんでくるようだった。

 

写真はサナトリュウムの面影を残すバルコニー、窓枠は木製

2012年9月この建物は解体された

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