2017年4月29日
雪頭ヶ岳(せっとう)・鬼ヶ岳 御坂山系
2年前に十二ヶ岳から鬼ヶ岳を訪れた時、富士山を隠すように立ちはだかっている存在感のあるピークが気がかりになっていた。
それが雪頭ヶ岳であること、しかも根場からのダイレクトルートがあることを知り、今回訪ねた。
登山ルートは東入川の堰堤に始まり、スギ、ヒノキ、カラマツの造林地を行く、妙味のない登りになった。しかし標高1400mあたりのブナ原生林からは景観ががらりと変わって気持ちの良い登山に変わった。
あの立ちはだかっていた雪頭ヶ岳の頂上からは、完璧と思える富士山と西湖のコラボレーション姿を目にすることができた。
年月日 | 2017.4.29 |
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天候 | 晴れ |
コース | 根場-東入川-雪頭ヶ岳―鬼ヶ岳-鍵掛峠-本沢川-根場 |
メンバー | 単独 |
行動時間 | |
感想、他 | 根場(ねんば)は昭和41年の台風の土石流に壊滅的な被害を受けた集落で、この後上流部に多くの防災対策が施されていた。 |
時刻 | 位置(標高m) | バロm | 記事 | 備考 |
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6:55-7:00 | 根場(ねんば) | 919 | 今日から連休が始まったが駐車場の車は数台のみ 集落の東にある東入川に向かう、林道先に堰堤が見えてきて、手前に濃いピンクの桜が咲いていた |
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7:30 | 雪頭ヶ岳への標識 | 968 | 林道を行き、2つの堰堤を越えると雪頭ヶ岳への標識と熊出没の注意書きがあり、ここが実質の登山口になっていた 手摺付きの階段を登って次の堰堤の左岸を乗り越す |
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7:40 | ジグザグの登山路 | スギ林が終わった所に岩があり、そこから標識に従ってジグザグの登りに移る | ||
8:05-15 | ヒノキ分収林 | 1157 | みごとなヒノキ林の中に「公社分収造林地」の表示があり、これらは植栽日からすると樹齢50年を越えていることになる | 昭和49,50年度の2か所の表示 土地所有者足和田村に変わって山梨県林業公社が植栽した |
8:25 | 左折点 | 1266 | 沢沿いの道から左折して山腹を横切る道に移り、尾根に向かう ここで暗いヒノキ林から明るいカラマツ林に変わった 木の間越しに富士山が見えてきた |
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8:35 | 尾根取付き | 1326 | 尾根に取付いて右に斜上、10分ほどでブナが現れた |
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8:55 | ブナ原生林の標識 | 原生林に入ってほっとしている自分を感じつつ、ひたすら急坂を登る | ||
9:45-50 | 雪頭ヶ岳頂上 | 1711 | 根場からの標高差790mをマイペースで登ってきたが、急勾配続きの手ごたえのあるコースだった 頂上の標識は背後にあるピーク(バロ1730m)より一段低い所にあった ここからの展望はみごとで富士山と西湖のベストビューポイントだった |
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10:00 | 梯子 | 雪頭ヶ岳を越した鞍部に立派なアルミ製の梯子が掛けられていて、ここを登るとすぐに鬼ヶ岳だった | ||
10:10-20 | 鬼ヶ岳 1738 | 前に訪れて、気になっていた雪頭ヶ岳は今日も富士山を隠すように立ちはだかっている 富士山の頂上に笠雲が掛かり、ここを通る風が強くなってきた |
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11:05-30 | 昼食 | 1574 | 風を避けてゆっくり雑木林の中で昼食を取る、周囲の落葉樹のつぼみは堅い 富士山の笠雲がさらに広がった |
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11:45 | 鍵掛峠 | 1514 | 王岳までを視野に入れていたが、今回はあきらめて根場に降ることにする | |
12:00 | 地蔵 | 1417 | 大岩に地蔵が祀られている 稜線からわずかに下がっただけなのにフデリンドウ、タチツボスミレやアセビの花が現れた こちらの標高1400m付近にもブナの原生林が残されていた |
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12:40 | ヒノキ若木植栽地 | 本沢川の堰堤近くの急斜面にヒノキ植栽地があったが半分以上が倒伏していた 動物からの食害を守るため樹脂製の筒に苗を入れて植栽したものが、雪崩で倒れたらしい |
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12:55-13:05 | ニホンカモシカ | 1079 | 『木登り熊』! よく見るとヒノキの若木に前足を掛け、二本足で立って樹皮を食べていたニホンカモシカだった 背中の黒毛だけ見たら見間違う |
登山口に熊出没の注意書きがあり、まさかと思いながらも気にしていたのかもしれない |
13:30 | 根場駐車場 | 925 | 観光客で賑わう根場に到着 |
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根場から雪頭ヶ岳が望めた
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2つの堰堤を越えた広場の右奥にある標識、手摺付きの階段で次の堰堤を越す
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スギ林がしばらく続いたあと、標識のある大岩からからジグザグ登りになる
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ヒノキ林に昭和49年度と50年度の分収林標識があった、したがってこの森の樹齢は50年を越えた
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標高1400m付近からカラマツの人工林が終わって、ブナの原生林に変わった
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今冬に食べられた樹皮、ニホンカモシカによるものらしい
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雪頭ヶ岳の頂上標識は一段低い所にあった
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雪頭ヶ岳からの富士山と西湖のコラボレーション姿は完璧な絵葉書写真になる
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雪頭ヶ岳の次のピークから三ツ峠山まで連なる御坂山系が見渡せた
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鬼ヶ岳のピークが見えて、その手前に梯子が見える
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雪頭ヶ岳を越した鞍部からのギャップにアルミ製の梯子が掛けられていた
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鬼ヶ岳からの富士山はこのように雪頭ヶ岳に一部が隠れる
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鬼ヶ岳山頂の標識
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鍵掛峠への稜線にこのような岩場が現れロープが掛けられている
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稜線を進むと鍵掛山と王岳に連なるが、ここから左折して根場に降りた
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稜線からちょっと下っただけで、フデリンドウ、アセビの白花が咲きだしていた
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堰堤近くの山腹にヒノキの若木が筒ケースとともに、多くが倒れていた
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最初は木登りクマ!と一瞬立ちすくんだが角を見て安心した、背中の黒毛は熊に見える
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里のグランドにも足跡と「ため糞』があったのでニホンカモシカが山上から里まで幅広く活動しているようだ
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いやしの里根場は桜が満開で賑わっていて富士山の笠雲はさらに広がっていた