2016年5月18日-19日
タクラマカン砂漠縦断(番外)
新疆ウイグルのシルクロードツアーに参加し、タクラマカン砂漠をバスで縦断した。
砂漠の中の道路は「タリム沙漠公路」と呼ばれシルクロードとは無縁の道であったが、長時間にわたり砂漠に直接触れられた旅になった。
出発地のクチャは天山南路にある北のシルクロード、到着地のニヤは西域南道(崑崙山脈)にある南のシルクロードで、この間690㎞を12時間かけて1日で砂漠越えした。
翌日はシルクロードで栄えたホータン(和田)を訪ねた。
年月日 | 2016.5.18-19 |
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天候 | |
コース | クチャ(庫車)-リンタイ(輪台)-砂漠公路-ニヤ(尼雅)-ホータン(和田) |
メンバー | ツアー15名 |
行動時間 | |
感想、他 | 『死の海』と呼ばれたタクラマカン砂漠は東西1500km、南北500~600kmあり、その中央部のトウチュウ(塔中)に中国のエネルギーの半分を賄う資源が眠っているという。その開発発掘のために造られた砂漠の中の道を維持するため、大自然に立ち向かっている姿を目の当たりにしてきたが、かって日本がスーパー林道を造り、今もって自然と融合できていないことと同じ危うさを感じた。 |
時刻 | 位置(標高m) | バロm | 記事 | 備考 |
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5月18日 8:50出発 | クチャ(庫車) | ここまではウルムチ=トルファン=コルラ=クチャをたどってきて、今日で7日目を迎えた | ||
リンタイ(輪台) | ベニヤナギ灘(タン)で男女分かれて青空トイレに行く 灘は砂と砂利が混じった土漠で、ベニヤナギ(紅柳)やコヨウ(胡楊)など限られた植物が生息している |
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11:15 | リンナン(輪南) | 石油基地があり、ここから上海まで4000㎞のパイプライインで輸送し、中国のエネルギーの半分が賄われているという | ||
11:20 | ゲート | 遮断機があり通行する車はすべてチェックを受ける 道路でのチェックは厳しく、公安と軍隊が一緒に警備していて、地元の乗用車はトランクの中まで調べられる |
公安によるチェックは幹線道路だけでなく市中でも行われていた | |
12:00 | タリム胡楊林公園 | 大人4人で抱えるほどの幹回りの巨木がたくさんある公園になっている 胡楊は根の深さ10m、根の広がり10m以上あり、乾燥と塩分に強く、樹齢も1000年以上に達するという |
胡楊に「生きて千年、枯れて千年、倒れて千年」のことわざがある | |
12:15 | 塔河鎮で昼食 | レストランでシシカバブとラグメンを食べる これらはこの旅の定番料理であるが、辛味が強いせいか下痢をしている参加者が多くなってきた 今までは青空トイレだったが、ここでようやくトイレらしきものに出合った。しかしドアはなく隣との壁高さは胸までで隣が丸見え、落とし所には畑があって、下から風が吹き上げる |
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13:35 | タリム河(塔里木河) | タリム河は中国最長の内陸川で1800kmあり、海に注がず砂漠に消える | タリム河はかって2170kmあったが農業用に使われ短くなった | |
13:35 | タリム公路起点 0㎞の表示 | ここから本格的な砂漠地帯に入り、南ゲートまで446km、ほぼこの距離が緑化の対象になっていた | ||
15:05 | 21番ポンプ小屋 | 小屋に停車し裏手の砂丘に登る、はてしなく続く砂丘の連なりを初めて目にし、その広大さに言葉が出ない。公路に目をやれば舗装された道路が地平線まで続き、わずかばかりの幅の緑地がそれに沿うが、一歩砂漠に入りこんだら『死の海』に違いない。緑地は公路両脇30m幅にベニヤナギ、ソソ(梭梭)などの灌木が植栽されていて、これの散水のため公路4km置きに108個所のポンプ小屋が設置されているという。 | ポンプ小屋には井戸ポンプ、発電機が設置されていて、3月から10月にかけて二人が常駐し、1日12時間散水 | |
塔中 | 塔中油田への専用道路が分岐していて、侵入禁止になっていた 途中で砂嵐に見舞われて、視界が数十メートルになり、かつ道路が砂で覆われた |
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19:20 | 97番ポンプ | ここでも休憩し砂丘上にあがる、逆光が砂漠の美しい砂紋の影をきわだたせていた | ||
20:20 | 公路南ゲート | 砂漠が消えて、道路沿いは葦が広がる、いわゆる葦灘(アシタン)に変わり、いよいよ西域南道(シルクロード)に近づいた | ||
21:00 | ニア(尼雅)のホテル | 崑崙山脈を水源とするオアシスの街であっても、朝から晩まで砂けむりに覆われていて、空と太陽は霞み、建物も車も道路も砂埃に覆われている、道路には専門の清掃員を多く見かけた | ||
5月19日 9:15出発 | ニア(尼雅) | タクラマカン砂漠と崑崙山脈との境目の街道を行く(現代の西域南道) 西域南道は玄奘三蔵、張騫、マルコポーロ、大谷探検隊らが通った |
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ケリア(宇田) | ケリア川が流れ、水田、ポプラ並木が見られた | |||
ホータン(和田) | オアシスの街人口17万人でウイグル族が80%を占める | |||
15:30 | アトラスシルク工房 | 中国東方から製法がもたらされたというシルクの工房を見学 飛天を意味するアトラスはウイグル族の民族衣装の柄で華やかな色彩だ、ここで糸つむぎ-染色-織りの行程を見学した |
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18:00 | 白玉川で玉石探し | 崑崙山脈の雪解け水とともに流されてくるホータン玉は6千年前から中国東方に流通していたという | ||
20:00 | ホータン(和田)のホテル |